昨年のインド総選挙で争点の一つになった「アグニパト」は4年間という短期任用で兵士を募る。兵員の若年化、一般社会との人材交流など少なからぬメリットも指摘されるが、軍人年金の削減が隠れた目的であることは否定できない。この政策がなぜ、北部を中心に一部は過激 ...
厚労省の説明を鵜吞みにした「医師余り」論が跋扈するのは相変わらずだが、一方で「医師の偏在」を語る議論にも問題は多い。その典型は「若手医師の僻地・地方への強制配置」。こうした制度で是正できないことは世界的にも明らかだが、それを唱える真意は役所の利権確保に他ならない。そもそも、医師が偏在する構造を作ってきたのは日本の医療改革の歴史なのだ。
1990年に会員制月刊誌として創刊した「フォーサイト」は 2010年9月にウェブメディアとして装いを新たにしました。 「フォーサイト」の意味は「先見性」。 多種多様なニュースがネット上に ...
公明党が実現を目指す選択的夫婦別姓について、石破茂総理はかねてから前向きな姿勢を示してきた。参院選で勝つためには公明党との協力が必須だが、強行すれば高市早苗前経済安保相らに代表される自民党内保守派の反発は必至で、選挙前に“石破降ろし”の政局となりかね ...
アゼルバイジャン-アルメニア間で1990年代から続いたナゴルノ・カラバフを巡る対立は、アルメニア系住民が実効支配する「共和国」をアゼルバイジャンが軍事制圧した2023年秋から新たな局面に入っている。ただし、両国の和平条約はいまだに締結されていない。ア ...
かつてのカラバフ汗国の首都シュシャは、アゼルバイジャンが領土の相当部分を奪還する2020年の第2次紛争で戦略的要所に位置付けられた。現在、帰還者を中心に約1000人が住むという。第1次紛争期の1990年代前半に親がこの地を逃れた後に生まれた「シュシャ ...
演説で「神」を語る大統領、「アラー、アクバル」を叫ぶテロリスト。世界各地で同時に進む「宗教への回帰」が、国際情勢を読み解く鍵となる。なぜ宗教は政治の場に再び登場したのか ...
シャガールの絵には黒い上下を着て、山高帽をかぶったひげもじゃのユダヤ人男性がよく登場する。女性はロングスカートでスカーフをかぶっている。十九世紀末か二十世紀初頭のロシアだ ...
独裁国家がたった二カ月で施策の失敗を認めたのは前例がない。しかも、その施策に国家の浮沈を賭けていただけに――。 「私は、わが人民がまだトウモロコシ飯を食べていることに一番胸 ...
侮っていた中国の自動車メーカーが実は大化けしていた。自前で身に付けた技術力と、バツグンの価格競争力を武器に、中国や途上国の市場で売り上げを伸ばし続けている。トヨタ以下 ...
中国の人工知能(AI)企業、DeepSeek(深度求索)が開発した生成AIのインパクトはどれほどなのか。業界をリードする米国のモデルと同等かそれ以上の性能を持ちながら、コストが大幅に低いとDeepSeekは主張している。事実であれば技術の世界秩序を揺 ...
冷戦期の米ソにとって、国家の命運を左右する情報の筆頭格は互いの核戦力状況でした。1950年代後半の米政府はソ連が大量の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を配備していると誤認し、ミサイル技術の遅れが致命傷になりかねないと危機感を募らせました。いわゆる「ミサ ...